荒城の月 〜昔の光いまいづこ〜

歌曲雑感

詩:土井晩翠

春高楼の花の宴
めぐる盃影さして
千代の松が枝わけ出でし
むかしの光いまいずこ

秋陣営の霜の色
鳴き行く雁の数見せて
植うるつるぎに照りそひし
むかしの光今いづこ

いま荒城のよはの月
変らぬ光たがためぞ
垣に残るはただかづら
松に歌ふはただあらし

天上影は変らねど
栄枯は移る世の姿
写さんとてか今もなほ
あゝ荒城の夜半の月

滝廉太郎『荒城の月』(カウンターテナー)

作曲は滝廉太郎。

 

「花」(はるのうららの隅田川)と並び、日本近代歌曲の草分けとなった記念碑的な歌曲とされています。

 

ただし、その時滝廉太郎が作曲したのはメロディー部分のみ、今回私が歌ったものとはリズム、音程共に若干違いがあります。

 

このメロディーに伴奏をつけたのは有名な山田耕筰でした。この伴奏と共に「荒城の月」は現代にまで歌い継がれる名歌になりました。

 

ところで山田耕筰は「荒城の月」に伴奏をつける際、メロディーに音程・リズムの若干の変更を加えたほか、もう一つ変更を行っています。

 

それが「拍子」です。

 

4分の2拍子を4分の4拍子としているのです。

 

この変更によって大きく変わったことは、たいへん「スローペース」で歌われる曲になったということです。

 

実際、私の動画では楽譜に記された速度指示を守って演奏してみましたが、非常にゆっくりなことがお分かりいただけると思います。

 

この「荒城の月」にただよう、重厚なイメージもまた、山田耕筰の加筆によってもたらされているとも言えるでしょう。

 

 

もちろん、原曲の魅力も素晴らしいです。

 

機会があればそちらも紹介したいと思います。

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